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(2022/06/13) 一括償却資産と償却資産税

 事業者が10万円以上の固定資産(建物、附属設備、構築物、機械、車両、備品等)を購入した場合、資産計上することになっていますが、現行法上、3つの方法があります。

 それは、1.通常の減価償却資産、2.一括償却資産、3.少額減価償却資産 です。

1.通常の減価償却資産 耐用年数に応じて償却していきます。本題ではないので詳しい説明は省略します。
2.一括償却資産 取得価格が10万円以上20万円未満の固定資産について、個別に減価償却をするのではなく、使用を開始した年から3年間にわたり、取得価格の3分の1ずつを必要経費に計上していきます。
3.少額減価償却資産 取得価格が30万円未満の場合、取得した期において全額必要経費に計上することができます。 青色申告が適用されている中小企業者が使える特例です。

 取得資産の価格が20万円未満の場合、上記1〜3のいずれによる処理も可能ですが、通常黒字企業であれば、一番早く経費化できる[3.少額減価償却資産]を選択することがほとんどであろうと思います。

 ただし、[2.一括償却資産]]には際立った特徴があります。それは「償却資産税の対象にならない」ということです。

 機械、備品といった固定資産は、償却資産税という市町村税の対象になっています。(正しくは「償却資産税」ではなく「固定資産税(償却資産)」といいます)
 その評価額(取得価格から年々減価していった現在価値)の合計が免税点(市町村によって異なるかもしれませんが一般には150万円)を超えた場合に課税されます。
 通常、企業の資産台帳に載っているほとんどの固定資産(建物や車両は除く。∵他で課税されているから。)が、償却資産税の対象になっていますが、一括償却資産はその対象外なのです。

 少額減価償却資産は1期で落とせますが、帳簿価格はゼロになっても当該資産が残っている以上償却資産税はかかり続けます。
 そこで、減価償却は3年かかってしまうけど償却資産税の対象になって長々と課税されるくらいなら一括償却資産を選ぼう、という選択肢もありうるわけです。

 元々取得価格が20万円未満と小さい資産のこと、一括償却資産にするか少額減価償却資産にするかによる税額の違いも大したことはありませんから、1台や2台のことならそれほど悩むようなことでもないと思いますが、今回のテーマにちょうど当てはまりそうなパソコンやエアコンが何十台もあるような企業の場合は一考の価値があるかと思います。


【関連資料】

 《名古屋市》 (適用対象は資産の設置場所ごとです。会社の所在地ではありません。)


※掲載記事は掲載日現在の法令等に基づくものです。その後の制度の廃止・変更等には対応していませんので、ご注意ください。


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