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(2003/11/26) 主婦とパート収入

 サラリーマンの奥さんがパート勤めに出ているといった場合、年末が近くなると話題になるのが「配偶者控除」。パート収入が一定額を超えると夫の扶養家族から除かれてしまうので、12月分の労働時間を調整しようというわけです。

 では、その「一定額」とはいくらでしょう? 巷では100万円とか103万円とか言われていますが、正解は「103万円」です。

 所得税法では、控除対象配偶者を「居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの(事業専従者を除く)のうち、合計所得金額が38万円以下である者」と規定しています。

 ここで38万円とあるのは「所得」であって「収入」のことではありません。給与収入金額(総支給額。ただし通勤手当等非課税所得は除く)から一定の金額(給与所得控除額)を差し引いたもののことを言います。いくら差し引けるかは給与額によりますが、1,619,000円未満の場合は65万円を差し引いた金額になります。つまり所得金額が38万円以下というのは収入に換算すると「65万+38万=103万円」以下というわけです。以前はこの「38万」が「35万」でしたので、その頃の記憶で100万円と言っている人も見受けられますが、正しくは103万円です。ちなみに住民税(県民税・市民税)の場合も同様です。

 注意しなければならないのは、複数の所に勤めていた場合です。上記の金額は「1社あたり」ではなくあくまでその人が1年間に得た収入全てを含めての話です。

 ここでは主婦の場合を想定して書きましたが、夫と妻が逆の場合でも、また子供や親が扶養親族になるかどうかを判定する場合でも同様です。(配偶者の場合はさらに配偶者特別控除もありますがここでは省略します)

 なお、パートやアルバイトであっても月の収入金額によっては源泉所得税を徴収されていることもあります。通常は勤め先で年末調整をしてくれるはずですが、複数掛け持ちの場合はやってくれません。この場合はご自分で確定申告をすることになります。やり方がわからない時は税務署または税理士までご相談ください。

参考:国税庁タックスアンサー「No.1800


※掲載記事は掲載日現在の法令等に基づくものです。その後の制度の廃止・変更等には対応していませんので、ご注意ください。